越境ECを始めたいと考えるときに、沢山の選択肢があり、どれを選べばいいか悩んでいませんか?
越境ECサイトを開設したい場合、Magentoがもっともビジネスに適応させられる柔軟性において飛び抜けており、他のプラットフォームでは何かが欠けているという事実があります。
一口で越境ECと言っても様々な要件があり、当社の構築事例を交えながら、Magentoを選択するべきかどうかをわかり易く説明致します。

越境ECの要件とその解決事例

国内向けの日本語サイトと英語サイトを分けて運用したい

これはもうMagentoでしかできないと考えていただいてOKです。
Magentoは1つのMagento環境で複数のウェブサイトを運用することが可能です。
例えば、

  • 海外と日本では販売価格が違う
  • 日本語サイトを海外には表示できないようにしたい(その逆も然りで海外のサイトを日本で表示できないようにしたい)
  • 海外向けサイトは現地法人の銀行口座に入金し、日本向けサイトは日本国内の銀行口座に入金したい
  • 日本向けでは円建て、海外向けにはドル建てで決済をしたい(表示している通貨ではなく、決済代行等に請求を行う通貨のこと)

こういった要件がある場合はウェブサイトを分けることで解決します。またそれができるのはMagentoだけです。

日本語サイト https://www.shop.co.jp
英語サイト https://www.shop.com

であったり、

日本語サイト https://japan.shop.com
英語サイト https://english.shop.com

このようなかたちで分けることが出来ますが、在庫として活用する商品は共通でもいいし、また別と考えることもできます。
さらに、片一方でユーザ登録した顧客は他方のサイトにログインできる、できないも設定次第です。(登録していないサイトにログインできてしまうことは、双方のサイトの関係性を顧客によく理解して貰う必要があるため、通常この機能はOffになります。)

ちなみに大抵の他のプラットフォームでは複数ウェブサイトという考え方がないため、全く異なる環境のウェブサイトを用意する羽目になり、それぞれのサイトで取り扱う在庫が共通の場合には、ウェブサイト間で在庫を同期する仕組みなどを検討しなければならないため、運用するウェブサイトの数以上のコストがかかることを忘れてはいけません。

1つのサイトで複数言語を運用したい

ほとんどのプラットフォームはこの形で運用しかできません。
この言語切替ができるということを指して越境対応と呼んでいる節がありますが、本来Magentoのように複数のウェブサイトという選択肢もなければ、様々な要件を適えるプラットフォームとは言えないはずなのですが、残念なことにそこまできちんと実装されているプラットフォームがなくMagento独壇場となっています。
また言語一つの追加に付き200万円というひどいプラットフォームもありますが、Magentoでは標準搭載です。
言語切替だけで1つのウェブサイトでの運用が可能な要件の例を記します。

  • 最終的には日本円での入金としたい(USドル等他の通貨でも可。ただしどれか1つの通貨のみで決済)
  • 日本国内の法人だけで完結する越境販売(販売業務が海外現法を含むなど多国籍でなければ可。)
  • 為替リスク分の上乗せをなるべく減らし、競争力のある販売単価を表示していきたい
  • 海外販売価格と国内販売価格が同じ金額(または国内販売はなし)

なお言語切替で運用する場合でも、Magentoは細かい点まで考慮されており、その代表例がURL構造です。
御存知の通り、Googleの検索エンジンは、各国語用それぞれ別になっています。
例えば英語サイトであればきちんと英語検索に反映されるべきで、同時に日本語も運用しているならば、日本語検索に反映される必要があります。
ただしこの考慮がないプラットフォームが非常に多いということが現実で、Googleとしてはどの言語のサイトなのかをはっきり区別ができず、正しく各言語の検索にインデックスされない状態となっていまいます。

Toyという名前の商品の例)
日本語ページ - https://www.store/jp/toy.html
英語ページ - https://www.store/en/toy.html

※ なおこの例では商品のURLを”toy.html”としていますが、このように検索エンジンフレンドリーなURLを生成できることは、ECで商品販売を行う上で絶対に必要なことですが、自動で生成された”?product=NP11940″のような機械的で単語として意味をなさないURLを生成するようなプラットフォームは問題外で、絶対に選択してはいけない点、ご注意ください。この対応可否によって大きく差が開くことになります。

Magentoの場合は、言語ごとのURLを分けて、またそのページがどの言語のサイト化をきちんと伝えるタグ(hreflangタグ)を出力し、例えば英語で表示している場合に、そのページの英語以外の言語に相当するページはどれか、というところまできちんとGoogleに対して伝えることが必要がありますが、Magentoではこの動作が完璧に実装されています。
言語ごとのURLやhreflangの取り扱いが可能であることは、特に購買意欲が高い傾向のあるユーザーが多いオーガニック検索の結果に大きく差が開くため、プラットフォームを選択する際には、この対応状況について必ず確認する必要があります。

Magentoのデフォルトで対応可能な言語

Magentoはもともとアメリカの会社の製品であり、標準では英語が搭載されていますが、以下の言語パックがすでに用意されており、Magentoの公式エクステンションマーケットであるMagento Marketplaceから追加することが可能です。

    1. 日本語
    1. 英語(イギリス英語)
    1. 英語(オーストラリア英語)
    1. ドイツ語
    1. フランス語
    1. ポルトガル語
    1. イタリア語
    1. オランダ語
    1. ロシア語
    1. スペイン語
    1. アラビア語
    1. クロアチア語
    1. スロバキア語
    1. スウェーデン語
    1. ベトナム語
    1. 簡体字中国語
    1. 繁体字中国語
    1. ポーランド語
    1. ノルウェー語
    1. ラトビア語
    1. チェコ語
    1. エストニア語

また存在していない言語パックについても、自身で翻訳をすれば追加が可能で、Magento1.xの事例ですが、タイ語や韓国語に対応した事例がございます。
それからよく勘違いが多いため説明を加えますと、これらの言語は、フロントエンドや管理画面においてMagentoが出力する箇所のみであり、商品情報やページ内のコンテンツ用のユーザーデータまで翻訳されるということではありません。
ユーザーデータについてGoogle翻訳などで機械翻訳を行うエクステンションもありますが、越境ECを行うに当たり機械翻訳は全くおすすめができず、きちんとした翻訳を行うべきです。

ネイティブ翻訳を自動で行うアプローチとしてIcecatというオランダの会社のサービスが有り、当社は国内唯一の同社サービスの代理店でもあります。
Magento – 商品情報自動作成のページに詳しく説明しておりますが、翻訳だけでなく商品説明文章も自動作成するというアプローチも可能です。

Magentoで対応可能な通貨

答えは簡単。ほとんどすべての通貨に対応しています。
Magentoでは通貨の取り扱いに対しても、様々なアプローチが可能な柔軟性があります。

通貨レートの計算について

Magentoで多通貨を取り扱う際は、固定と自動換算を選択できます。
例えば日本円で1,000円相当の商品をUSドルでは$10として固定することも可能ですし、またはその日の通貨レートを適用し、自動的に設定することが可能です。
通貨換算を自動にしておくと、例えば大きな為替変動があった際に慌てて商品価格を変えるといった作業が不要になります。

なおMagento標準ではWebservice Xという為替レートを取得するためのAPIサービスへ接続する仕組みが実装されていますが、このサービスは数年前から停止されており、通貨レートを取得できません。GoogleやYahooでも提供されていましたが、これらも停止されました。
このため当社では、独自で現在の通貨レートを取得する環境を構築しましたので、ご指定の通貨を表示可能致します。特に対応可能な通貨の指定はございません。

価格と通貨の考え方

Magentoは複数のウェブサイトを運用できますが、各ウェブサイトごとに決済に使用する通貨を1つ選びます。
1つしか選択ができないのではなく、1つであることには大変重要なメリットが有り、例えば日本の法人であれば、皆さんが普段使っている日本の銀行口座だけがあれば良く、外貨口座がなくても越境ECの運営が可能になります。
かといって日本円しか表示できないのではなく、固定ないしは自動で換算された各国の通貨を好きなだけ追加して表示することができます。
なお越境ECを通じて海外向け販売を行う際に、世界各国の貿易で使用される標準通貨のUSドルのほかに、販売対象国の現地の通貨で表示されるかどうかは、実際の売れ行きにダイレクトに影響しますので、ターゲット国の現地通貨表示をすることは大変重要です。

ここで注意したい点としては、各国の通貨で表示される価格はあくまでも参考の価格であり、自動換算であったとしても秒単位で変化する為替レートが適用されているわけではありません。
このため、カード等で決済した場合には、決済する通貨として指定した金額に対し、カード会社に請求したタイミングの為替レートが適用されることになります。
(これは海外でクレジットカードを使った場合も同じです。)

Magentoの標準機能では、最も短い間隔の自動変更は日単位になるため、その日1日の間で変化するレートではないことをご注意ください。
このため決済通貨として指定した通貨以外の表示を行う際には、参考価格である旨を強調して表示するなどの工夫が必要です。

例)
実際の通貨レート 1ドル - 110円
表示用に適用されている通貨レート 1ドル - 105円

この場合、Magentoでは1,000円の商品を9.52ドルとして表示しますが、実際の請求額は9.09ドルにカード会社の手数料が載せられた金額になります。
円安方向にずれている場合は、お客さんからすれば安くなりますが、円高方向にずれた場合は、表示価格より高くなります。

複数のウェブサイトをMagentoで運用する場合は、決済に使用する通貨をそれぞれのサイトごとに指定できますので、海外に現地法人がある場合は、現地でよく使われる決済方法を使用することができます。
決済サービスは自国、またはその国に現地法人があるものを使うというルールが有るのではないかと考えており、たとえばPaypalもアメリカ発ではありますが、日本国内に法人があり、また日本の法人は日本のPaypal歯科利用できないことになっています。
このため、現地で人気があるけど日本に法人がない決済サービスを使うたい場合は、ウェブサイトを分けることを検討してください。
現地で人気がある決済サービスに対応していることはECビジネス成功の必須条件です。
中国で人気のAlipayやWeChatは、日本で利用可能にするための代理店があるため、日本の法人でも導入できます。当社は同サービスのパートナーでもありますので、優遇された販売手数料をご提供することが可能です。

各国の税制への対応

例えばFOB(貿易用語:送料と関税を買い手が支払う売買条件)で販売を行う場合、各国の税金を考慮しなくていいと考えていたらそれは大間違いです。
例えばオーストラリアの場合、2018年7月より、金額にかかわらずGSTが課税されることになりました。
そしてその預かった税金をオーストラリア当局に納税する必要があり、予めその税を課した金額で販売する必要があります。
また当然日本国内の法人が日本国内向け販売を行っている場合には、消費税を預かる必要があります。

Magentoでは配送先の国や地域ごとに税率を設定することが可能なため、たとえば日本とオーストラリアを販売対象としている場合には、消費税とGSTを設定すれば良いことになります。

それからECのVATには事業者が取得するVAT番号がありますが、これをサイトに掲載することも可能です。
特にBtoBの取引で欧州向けに販売を行う場合、VAT番号を要求されるケースが有り、その際に有効です。

なお参考までに課税の計算の際には、商品1個あたりに対してなのか、または商品×個数、カート全体のいずれに対して課税するかを選択できます。
端数については切り上げ、切り捨て、四捨五入を選択できますが、当社の経験上四捨五入を選択する場合に様々な不具合に遭遇した経験があり、切り上げか切り捨てでの運用をおすすめ致します。
また価格指定においても税込なのか、外税なのか等も柔軟に設定が可能で、送料に対しても課税するかどうか等、細やかな設定が可能になっています。

国ごとに指定可能な細やかな設定

販売したい地域、したくない地域があるとした場合に、それでは実際にどのような対応によって指定を行っていくかを考える必要があります。

例1. 販売しない国には商品ページの表示もしたくない場合
ウェブサイト単位で取り扱う商品を指定できるので、ウェブサイトそのものをGeoIPなどで表示制御する方法が確実です。
言語ごとに表示/非表示も指定もできるのですが、後者の場合に注意したい点としては、英語=アメリカではなく、また言語切替を行えば表示されることになるため、厳密に制御はできないということになります。
例2. 販売しない国には商品を表示してもいいが、注文を受け付けない場合
各決済方法ごとに、決済可能な国を選ぶことができます。この設定で制御が可能です。例えばコンビニ決済や代引決済などは、日本法人としては日本向けにしか提供できない決済方法に当たるため、日本以外の国々には決済の選択肢として表示するべきではないので、日本のみを利用可能に指定するという際にも使用する設定です。
例3. 注文は受け付けるが、配送はしたくない場合
ECでは買った人と受け取る人が違うケースもありますので、この選択があることも考えておかなければいけません。
物によっては輸出禁止、または輸入禁止であったりするケースもあります。
このような場合には、各種配送方法の設定ごとに、配送先の国を指定することで、実現ができるようになっています。
例4. 注文は受け付けないが、配送は許可する
可能は可能です。ただこのような設定が必要になったケースはありません。

まとめ

いかがでしょうか。
ここまで述べた機能がすべてMagentoに搭載されています。
ここまで細やかに、また様々なケースにも柔軟に対応が可能なプラットフォームはMagentoだけで、他のプラットフォームは必ず何か欠けています。
本記事には書かれていない細やかな事項も多々あり、あとで結局Magentoを選ぶことになるのであれば、はじめからMagentoを選ぶべきであることは言うまでもありません。
日本向け販売のみであれば日本円、日本語という単純な仕組みがあれば最低限揃いますが、越境ECは以外にも複雑であり、単に多通貨多言語に対応していればいいというわけではないということが、本記事から十分ご理解いただけたと思います。
越境ECでの販売をお考えであれば、Magentoでなければ実現できないケースが大変多く、Magentoの採用が必須ではないのかという点、ご理解いただければ幸いです。

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