MagentoとShopifyを、それぞれの設計思想から見える得意不得意を比較してみます。
この項では、MagentoとShopifyを商品管理の観点で比較します。
サイト構築プラットフォームを選ぶ際の判断基準になれば幸いです。

Shopifyではあらゆる商品をタグで管理をいたします。

タグは商品一つ一つに複数のタグを設定することができ、例えば色に関するタグ、サイズに関するタグ、価格帯に関するタグ、その他商品の特徴を表すあらゆるタグをつけることができます。
ユーザーは商品を検索する時、例えば赤色の商品が欲しいと思った場合、「赤」というタグで検索をすることで、ショップ内の商品で赤色というタグが付いた商品を一覧で見ることができます。
タグは各商品につき250個まで設定が可能です。例えば色のタグだけでなく、その商品の産地のタグをつけたり、その製品が作られた年代や、その製品の味などを言葉で表して表示したり、商品の香りなども、言葉で表すことができればすべてタグで分類が可能です。例えばワインであればフルボディやライトボディなど商品の特徴をタグづけするのも良いでしょう。
しかしながら、タグにも弱点はあります。例えば数値に関するタグについて考えます。
ワインのヴィンテージを例に挙げます。1994年から2003年はボルドー産ワインの当たり年でもありましたが、これを1994年から2003年と言うように範囲指定での検索は、Shopifyではできません。
個々の商品に生産年、例えば「1996年」というタグを付けることは可能です。しかしながら、これらのタグを数値として扱い、範囲指定するということはできません。タグはあくまで「キーワード」として文字で記されているものとして扱われます。
近しいことを実現するためには、例えば90年代、2000年代というように。十年ごとにタグを作っておき、これらをコレクションで絞り込むことで、ある程度の年代による絞り込み表示か可能です。
ただし、例外的に、商品の価格に関しては上限、下限を設定して、数値として扱うことが可能となっています。

MagentoエンジニアがShopify触ってみた[商品管理]

Magentoの商品管理
〜商品属性をきめ細かく設定して、痒いところに手が届くサイトを構築〜

一方でMagentoにおいては、商品の細かな属性を系統だって記述して行く必要があります。

例えばワインであればフルボディ、ライトボディ、ミディアムボディこれらの特徴はひとまとめにして「味のタイプ」という項目を作って記述していきます。
さらに同じショップでウイスキーを使う場合、ウイスキーにはこれら「味の特徴」項目は必要ないので、ワインとウイスキーには、それぞれ違った商品属性を設定する必要があります。
ウイスキーとワインで共通な性質もあります。例えば原料などがそれにあたります。
ワインであれば葡萄の品種、ウイスキーであれば穀物の種類を入れればいいわけです。
お酒のタイプ程度であれば、例えば赤ワイン、白ワイン、スパークリングワインなどと、ウイスキー、バーボン、テキーラなど、これらを同じ階層の分類として作ってもshopifyとmagentoでは大きく変わりません。
しかし例えば工業製品など細かな規格が定められおり、それらをきめ細やかに分類するのはMagentoの得意分野です。
たとえばナットの例で考えます。ナットの説明をする場合、内径サイズ、外径サイズ、内部に掘られた溝のピッチ、ナットの厚み、これらは数値で表されます。
ショップに訪れるお客さんが求めている商品は、ピッチと内径は決まっているけれど外径はある程度の範囲に収まれば大丈夫という場合もあります。
この際Shopifyではサイズについて「何ミリ〜何ミリ」のように、商品タグの数値を範囲で絞り込むことができません。
Magentoであれば、「ナット」に関する商品属性を細かく設定することで、顧客はサイト内にて、最小値、最大値をスライダで設定して、商品を絞り込むインターフェースが自動で表示されます。
販売する商品が、サイズなど、細かな数値が選定要素のなる商品を扱う場合は、Magentoを選んでもよいかもしれません。

もう一点Magentoの商品管理に特徴的な点があります。
MagentoにはElasticsearchという強力な検索エンジンが標準でついています最新のマジェントでわこのElasticsearchにシノニム(同義語、類義語)を登録することができます。例えばお客さんが「ブルー」と言う単語で商品を検索した場合、同じ意味の「青」の商品を絞り込むことも可能です。Shopifyで同様の機能を使うには、追加のアプリケーションを導入する必要があります。
参考:Boost AI Search & Discovery

MagentoエンジニアがShopify触ってみた[商品管理Magento]

まとめ

本当にざっくりな切り口ですが、以下のようにまとめてみました。

  • Shopifyはタグとコレクションでざっくり分類する小規模ショップ向け。
  • Magentoは商品を系統立てて分類して、きめ細かな管理、大規模ストア、代理店、問屋ビジネス向け。

皆様の悩みの種である「プラットフォーム選択」の一助になればと思います。

■ このほかに、MagentoとShopifyの全体的な比較記事もございますので併せてご覧ください。 → Magento と Shopify ECサイト構築プラットフォームを徹底比較

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