Magentoは、多通貨対応でほとんどすべての通貨に対応しているだけでなく、通貨の取り扱いに対して様々なシチュエーションに対応した柔軟性を兼ね備えたプラットフォームです。本記事では、Magentoの基本通貨や表示通貨の概念や多通貨対応で必要となる設定を紹介します。

基本通貨とは、決済に利用する通貨、商品価格の管理を行う通貨であり、ウェブサイトごとに1つの通貨となります。決済通貨や商品管理の通貨を複数利用したい場合でも複数のウェブサイトを設定することでMagentoでは対応可能となります。
表示通貨とは、価格表示に用いる際の通貨となります。決済に利用する通貨(基本通貨)が日本円の場合、日本円だけでなく米ドルやユーロなど販売対象国の現地通貨で表示することが可能となります。

通貨設定

基本通貨や表示通貨、通貨レートの設定方法について下記の構成を例に説明します。

Magento 多通貨

多通貨の構成例

カタログ価格スコープ設定

基本通貨を複数取り扱う場合、カタログ価格スコープの設定変更が必要となります。デフォルトではグローバルの設定となっており、1つの基本通貨しか取り扱うことができませんが、ウェブサイトに変更することで複数の基本通貨を取り扱うことができます。

  • 1.管理画面から「店舗」-「設定」-「設定」の順に選択し、「カタログ」-「カタログ」の「価格」を開きます。
  • 2.カタログ価格スコープをグローバルからウェブサイトに変更し、「設定を保存」を選択します。
    Magento カタログ価格スコープ

    カタログ価格スコープの設定

基本通貨・表示通貨設定

Main Websiteでの米ドル表示通貨設定とMain2 Websiteでのユーロ基本通貨設定と表示通貨設定を行います。

  • 1.管理画面から「店舗」-「設定」-「設定」の順に選択し、ストアビューを「Main Website」に切り替えます。
  • 2.「全般」-「通貨セットアップ」の「通貨オプション」を開き、許可する通貨で「標準の値を使用」のチェックを外し、日本円と米ドルを選択し、設定を保存します。この設定により、Main Websiteで日本円と米ドルを表示通貨として利用可能となります。
    Magento 表示通貨 許可設定

    ウェブサイトの表示通貨設定

  • 3.ストアビューを「English」に切り替えて、「全般」-「通貨セットアップ」の「通貨オプション」を開き、標準表示通貨の「ウェブサイトの設定を使用する」のチェックを外し、米ドルを選択します。この設定により、Englishのページを開いたときに商品の価格が米ドル表示されるようになります。
    Magento 表示通貨 ストアビュー設定

    ストアビューの表示通貨設定

  • 4.次にストアビューを「Main Website」に切り替えて、「全般」-「通貨セットアップ」の「通貨オプション」を開きます。Main2 Websiteでは、基本通貨をユーロで設定するため、基本通貨の「標準の値を使用」のチェックを外し、ユーロを選択します。また、表示通貨をユーロに設定するため、標準表示通貨と許可する通貨の「標準の値を使用」のチェックを外し、ユーロを選択します。
    Magento 基本通貨設定 表示通貨設定

    ウェブサイトの基本通貨と表示通貨設定

通貨レート設定

通貨レートは、手動設定する方法と定期的に自動更新する方法の2つがあります。

通貨レートを手動設定するには、管理画面から「店舗」-「通貨」-「通貨レート」の順に選択します。左側の列(EUR、JPY)は基本通貨となり、一番上の行(EUR、JPY、USD)は表示通貨となります。基本通貨に対する表示通貨をそれぞれ入力し、「通貨レートの保存」を選択することで手動設定が可能となります。
また、サービスのインポートにて「Fixer.io」もしくは「Currency Converter API」を選択し、インポートすることで、外部ソースから通貨レートを適用することができます。なお、Fixer.ioとCurrency Converter API(free currency converter)のいずれも利用可能ですが、Fixer.ioはユーロからの変換に限り無料、それ以外は有料となります。また、Currency Converter API(free currency converter)ついては無料プランですべての通貨変換ができますが、月間1000クエリまでの制限があります。

Magento 通貨レート 手動設定

通貨レートの手動設定

Fixer.ioとCurrency Converter APIを利用する場合はAPIキーが必要となるので、下記よりAPIキーを入手する必要があります。
Fixer.io: https://fixer.io/
Currency Converter API: https://free.currencyconverterapi.com/
APIキーは、「全般」-「通貨セットアップ」の順に選択し、Fixer.ioもしくはCurrency Converter APIのAPIキーに設定します。
※Magento2.3.3まではCurrency Converter APIのAPIキーの入力箇所がなくfree currency converterを使うに当たりflancer32/mage2_ext_free_ratesなどが必要でしたが、Magento2.3.4からAPIキーの入力ができるようになり、free currency converterできちんと動作するようになりました。

Magento 通貨レート APIキー設定

APIキー設定

通貨レートを定期的に自動更新するには、管理画面から「店舗」-「設定」-「設定」の順に選択し、「全般」-「通貨セットアップ」のインポートスケジュール設定にて設定を行います。

Magento 通貨レート 自動更新

通貨レートの自動更新

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