BtoBのECサイトについてご存知でしょうか?

ECサイトと言うと、アパレルやコスメ、健康食品、家電、日用品など、一般消費者向けのを取り扱ったBtoCのECサイトが目立っていますが、実は消費者に直接販売をしないBtoBのビジネスの方が、ECサイトに適した条件が多くあります。

またBtoBサイトには大きく2種類のモデルがあり、

  • 1. BtoCのように一般公開されていて、購入者が法人や企業などの事業体であるケース
  • 2. 従来の電話・FAXからの注文をWebに置き換えたクローズドなケース

以上の2つに大別されます。

そのいずれにも当てはまり、BtoB事業モデルが大きく前進させるBtoB ECのノウハウを教えます。

1. 取引額が大きい

ネットで見かけるECサイトの大半はBtoCのサイトです。
消費者に直接販売は行わないBtoBのサイトが目立っていないだけで、実はBtoBのサイトの取引高のほうが、BtoCのサイトを大きく上回っています。

経済産業省が2019年5月19日に発表した資料によると、

平成30年(2018年)の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、18.0兆円(前年16.5兆円、前年比8.96%増)に拡大しています。また、平成30年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は344.2兆円(前年318.2兆円、前年比8.1%増)に拡大しています。
引用元:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました

と書かれています。

BtoBのECサイトは実に19倍以上BtoCのECサイトを上回る取引高なのです。

2. 顧客を獲得しやすい

顧客を獲得しやすい理由は複数あり、そのうちのいくつかをご説明します。

 

例えばBtoCのECサイトで1,000円の商品を売るために2,000円のGoogle広告をかけた、なんてことは普通にあります。
リピートを獲得してこそ利益が出るビジネスモデルになり、新規顧客に一度売れただけが継続されるようでは赤字続きになるリスクがあります。
BtoB ECの場合、同じ2,000円の広告でも、まとめ買いしてもらうことの方が多く、1回あたりの取引額が大きくなるので、圧倒的にかける比重を下げることが可能です。
また一度の取引だけで終わることも少ないため、1度の広告から生じた売上が長く続きます。展示会に出店の際、BtoBのECサイトから購入できることを宣伝すると、調達手続きが容易であることも伝えることができ、そこから新しい取引先が生まれます。
オフラインの取引先開拓のために展示会にすでに出展しているのであれば、BtoBサイトにアクセスしてもらうためのQRコードが書かれたパンフレットや、名刺を配りましょう。オフラインの取引の既存顧客がそもそもいるすでにBtoBで企業間取引をしており商品を卸しているなら、当然既存顧客がいます。
この方々にBtoBのECサイトを開設したと説明して回ることで、ECでの購入を行ってもらえる顧客も生じます。
また最近取引が少ない顧客に対しては、BtoBのECサイトを開設したということを理由に訪問を促し、取引が再開される事も多くあります。

3. 業務コストを大幅にカットできる

オフラインでの企業間取引を行う場合、営業マンが注文を取り付けたり、営業アシスタントやカスタマーサービスなどで注文を受ける必要があります。
受けた注文を営業マンが会社に帰ってから受注システムにデータ入力し、社内での発注業務が回ると言ったような手続きが、ECサイトの場合、全てシステムで自動的に完結します。
営業マンにiPadを持たせて現場に持ち込む必要もありません。
会社によっては顧客の購入頻度や取引額を管理するために別のシステムにも入力しなければいけない、なんてこともあると思います。
こういった事務手続きがゼロになることを想像してみてください。
会社によって当然バラバラですが、そこにかける人件費や設備コストが何十分の1にも低減されます。

人件費の削減もそうですが、慢性的な人手不足や、営業マンのパーフォーマンスのばらつきの改善、教育コストカットなどメリットを挙げれば枚挙にいとまがありません。

4. 日本全国だけでなく海外にまで販路を広げられる

これまで近隣の地域だけの取引だけを行っていたとしても、インターネットに上でCサイトを公開した途端、商圏は日本全国です。
とはいえ近くの会社に頼みたいという風土が残っているのも事実で、そんな場合には1箇所あたり毎月数千円程度で借りられるバーチャルオフィスも活用して日本全国にビジネスを拡大することもできます。

すでに日本全国の顧客を取り込んでいた場合、サイトを英語化や各国の現地通貨の表示を行うことで、世界各国を相手に取引することも可能です。
各国の言葉を話せる営業マンが世界各国にいなくても、また世界各国にオフィスがなくても、ECであれば取引ができます。

しかし、英語や中国語での問い合わせに対応できるのか?という心配があることもあるでしょう。
昨今、DeepLを筆頭に機械翻訳のレベルが飛躍的に向上しており、各国語でのサポートも容易になりました。
カスタマーサポートだけを外部委託できるようなサービスも多くあります。
こういったサービスを活用することで、今の体制を変えることなく、また世界中に物理的なオフィスや人員確保と言った莫大な投資は行っていないにも関わらず、海外との取引が可能になります。
実際日本語だけで英語や中国語など他の言語の社内体制がないと言った状態でも、越境販売の方が売上が大きいという企業様も多くいらっしゃいます。

5. 信用リスクを低減できる

BtoBの企業間取引では信用を前提にした売掛での決済を行うケースが多いのですが、いくら長年信用があった取引先でも、倒産や資金繰りの問題で急に支払いができなくなることもあり、提供者側は売上回収におけるリスクが常に付きまといます。

クレジットカード決済

BtoBのECの決済では、よくある請求書ベースの売掛払も可能ですが、これまでクレジットカードでのオンライン決済を行っていなかったとしても簡単にクレジットカードによる取引を始めることができます。
当たり前の話ですが、顧客の信用力についてはクレジットカード会社が審査するため、社内審査プロセスを不要にできます。
BtoBでの取引しかない企業の多くは銀行振込が主流となっており、クレジットカードなどはあまり活用されないという背景もありますが、昨今、クラウドのシステムなどを使うことが多くなり、クラウドサービスを利用する上でクレジットカードは必須な訳ですから、実は殆どの会社がクレジットカードで支払いをしており、銀行振込でなければならないというケースはほぼないとも言えます。

後払い

後払い決済というサービスもあり、支払いを受ける前に請求書が同梱された商品を発送します。同梱された請求書の内容に従って支払いを行うものになりますが、費用回収は後払い決済というサービスの提供事業者が代行します。このため信用力については、決済サービス事業者一社のみが担保されていれば良いということになり、多くの顧客それぞれの信用力の調査や、それに応じた取引可能金額の申請や設定なども不要です。

売掛払い

BtoB ECの支払い方法の選択肢に「売掛払い」と言った項目を用意すれば、毎月の締日で発生した取引をまとめて請求することもできます。
具体的な例としては、BtoB ECの方では注文の支払い方法を売掛けとして基幹システムや請求管理システムに連携します。
基幹システムや請求管理システムは、毎月の締日を過ぎたら取引先各社へ請求書を送付します。
このように、従来の請求フローに処理が渡るようにBtoB EC側の処理を組み上げることもできますし、売掛払いの外部サービスを使えば、基幹システムや請求管理システムを使わずとも、その処理を自動化することも可能です。

6. データの分析・活用が可能になる

オフラインの取引は、必ず社内の人手を介してその履歴がデータ化されます。そのデータは営業マンが属人的に管理したり、または営業管理システムやCRMで管理されます。
顧客情報、購入履歴、行動履歴など、BtoBECの場合はすべて自動的に蓄積されます。
その蓄積されたデータを分析するBIツールやCRMといったシステムに取り込むことで、注力すべき業務の把握や購買傾向の強いユーザの発掘などを確実に行っていくことができ、マーケティングオートメーション(MA)ツールに連携することで、セールスプロモーションなどの営業活動も自動可できます。
MAツールを用いた場合、BtoB ECで特に売上が多い、アクセスが多い優良顧客、優良見込み顧客に対しては、自動化とは反対に営業マンが営業アプローチする際の顧客データベースとしての活用も可能です。

MagentoでBtoB ECを実現する方法

当社では数多くのBtoB ECサイトの構築にも携わってきました。
その際に必要とされることが多かった要望についてご紹介します。

  • 1. 商品の価格を非表示にする
  • 2. 一般消費者にはそもそもサイトの閲覧をさせない
  • 3. 顧客によって販売価格を変える
  • 4. 注文は◯個以上からといった最小購入数を設定する
  • 5. 毎月の締日でひと月あたりの注文内容をまとめて1ヶ月分の注文に対する請求書を発行する
  • 6. オープンプライスの商品を見積もりし、交渉成立した価格で販売する
  • 7. 1つの画面上から複数の商品とそれぞれの個数を指定し注文可能なUI
  • 8. JANコードや型番と、必要個数の入力で注文する
  • 9. 代理店のある地域は販売対象から除外する
  • 10. 注文を受けたら自動的に製造元に発注する
  • 11. 取引先ごとのマスターIDがあり、そのマスターIDに紐づく複数の購買担当者IDを管理する親子関係

実は以上のような要望は全て、Magento本体の機能と、エクステンションと呼ばれるサードパーティ製の製品をMagentoに追加することで、特別なカスタマイズを行うことなく実現できます。

以上のようにBtoCのイメージしかなければ心配になるようなことの多くは、実は確立された方法で実現することが可能です。
当社でのBtoB ECサイトを構築する費用については以下ページで料金目安をご確認いただけます。

料金・プラン

取引額が大きくまた確実性の高いビジネス展開が可能になるBtoB ECや、従来のオフライン受注フローのオンライン化・Web化について、ぜひご検討ください。

ご相談・お問い合わせ

    お問い合わせはお電話か、以下のフォームよりお願い致します。

    お電話でのお問合せ先
    東京渋谷オフィス: 03-6869-7417
    名古屋本社: 052-880-0011

    お問合せフォーム

    ご入力いただいたすべての情報は当社のプライバシーポリシーに従い、厳重にお取り扱い致します。

    ご送信いただいた内容はSSLの技術によって暗号化され、秘匿性が保たれています。