Magento(マジェント)は世界で最も多機能で柔軟なECプラットフォームですが、その反面、その機能を習得する難易度が大変であり、日本国内だけでなく、世界でもきちんと取り扱うことが可能なベンダーは非常に限られています。
とりわけMagento2の登場により、開発の作法やルールも増え、その難易度は格段に上がりました。

WordPressやEC-Cube、Shopifyの習得難易度とは全く別物の存在であるMagentoであるにもかかわらず、これらと同等の見方をしたのか、自分達にもできると勘違いしたベンダーが引き受けてしまった数多くの案件の末路について本記事で7件ピックアップし、紹介いたします。

Magento開発炎上案件

Magento炎上事例1 大手外食産業の例

コロナ禍の初期に不要不急の外出を控える自粛生活が強いられていた頃、ある大手外食産業業界の企業は、当時サービスしていなかったテイクアウト事業の確立が急務でした。
この実現にあたり機能の柔軟性を持ったMagentoの採用が最適であると判断したのは正解だったのですが、その開発を請け負った企業にはMagentoを理解する人材が皆無という状況であったことから、当社が支援に入ります。

数ヶ月の短納期であるにもかかわらず、当社は当初要求事項に関し完成に持っていきましたが、その後この元請け企業は別の会社、それもMagentoの経験のない会社に開発を切り替えます。
しかし当然うまくいくはずもなく、Magentoの開発作法を無視した実装をゴリ押しした結果、不具合が連発、非常に不安定な環境のまま運営されるという結果に至りました。

Magento炎上事例2 大手製造業の例

本件に関してはバックグラウンドの多くを語れませんが、やはりMagentoの開発を請け負うのが初めてのベンダーに開発を委託したところ、決済に関する致命的なバグを数ヶ月直すことができず、当社で委託受けた際には数日で収束したという事例です。

Magento炎上事例3 大手小売企業の例

既存システムからの移行にあたり、複数のWebサイト運営が可能なMagentoが提案され、初めてMagentoを取り扱う企業が採択されました。
しかし、発注者にあたる小売大手企業がMagentoに不慣れであることを不安に当社にサポートを依頼。
要件の実現にあたっては、Magentoをどのように使っていくべきかという指南をさせていただきました。ただし当社は開発には関与しておらず、Magentoを初めて取り扱うベンダーが開発を継続。
サポートをしていた中では、明らかに性能劣化や、無駄なインフラリソースを食い潰す間違った実装を進めようとしていることを指摘しつつも、開発企業側はエンドユーザーとの調整ができず、間違った実装のままゴリ押しされていた模様です。

そのまま当社は本案件から外れ、予定よりも大幅に遅れてリリースされたものの、蓋を開ければ予想が的中された、不必要にハイスペックなインフラ環境が採用されており、また致命的な性能劣化が生じました。
しかしそのベンダーはその問題を解消することができないまま、放置されています。

Magento炎上事例4 大手化粧品業界の例

某大手広告代理店子会社が、Magentoに知見のあるプロパー社員が全くいないにもかかわらず受注。
社外の寄せ集めのメンバーで編成した国内体制と、オフショア開発部隊という無茶な編成で案件を遂行しようとするも、

  • 発注者であるエンドユーザー企業ときちんとコミュニケーションすることなく、要件をまとめた資料もない、要件定義ができていたとはとても言えない状態。結合テスト工程まで無理やり進めたものの、後から必然的に要件が全く理解されていないことが発覚し、要件定義がやり直しになる。
  • 開発工程の中で1000件にも登るバグを出す。しかしこの時点は結合テスト工程前であるため、要件理解していないままのバグでこの数になる。
  • 結果2年の遅延をもってしても完成させることができず肺発が頓挫。顧客企業に甚大な被害をもたらす。

以上のようなあまりにも悍ましい失敗事例となっています。
同ベンダーはシステム開発の専門企業ではなく、CMS制作レベルの企業でしかない中で、Magentoのような、日本を代表するような大手システム開発ベンダーでさえ手を余すようなものに手をつけた結果の典型的な事例が発生しています。

Magento炎上事例5 大手玩具メーカーの例

Magentoができると謳っているものの、蓋を開ければコンビニ決済もできなかったという事例。

Magento炎上事例6 中堅家具メーカーの例

Web制作レベルの開発力しかないベンダーが請け負ったところ、当初要件のネット販売ができない環境までしか実現ができていなかった。

Magento炎上事例7 大手中古販売事業者の例

国内だけでなく世界レベル見ても最大手のITベンダーが受託したものの、やはりMagentoの知見者は皆無という状況のなか、大規模開発を受託。
なんとかMagentoの知見者一人を調達したものの、規模をかばい切れる体制では到底なく、要件定義半ばにして開発中断。
要件定義中もITベンダー側がほとんど動くことができず、発注者側が手を動かし、進めていくといった事態となる始末。
多額のMagento有償版(Adobe Commerce)の利用料金先払いが無駄になる。

Magento案件の炎上に関する考察

ご紹介させていただいた案件事例は全て国内企業の例であり、これからMagentoを採用している企業様にも全く他人事ではないものであると理解してください。
当社なりに失敗する要因について分析したところ、

  • そもそもMagentoをやったことがない
  • Magentoの開発が可能なオフショア企業に委託したものの、国内側にMagentoの知見者がいない
  • Web制作、CMS制作レベルの企業が請け負い、システム開発で必要なノウハウ・体制がない

以上のようなベンダーが請け負ったことに起因することばかりです。
恐ろしいことに、Adobeのパートナーを名乗る企業、Magentoのパートナーを名乗る企業でさえ実はこの有様であるという事実があります。
AdobeはMagentoの知見や実力でパートナーを選定しているわけではない点が超重要

信じられませんがこれが実態です。

Digital-Freeの場合

当社Digital-FreeはMagento開発10年越えの選手を中心に、国内開発体制・海外開発体制を敷いています。
また某大手自動車企業や通信業界、商社など大手の基幹システムなどに携わったプロジェクトマネージャーやシステムエンジニアを国内体制として備えています。

この強固な体制により、当社起因での開発中断は0件を維持しているほか、多くの炎上案件の収束にも貢献させていただきました。

Magentoを用いたサイト構築や既存サイトからの移行のほか、このような炎上案件収束のお手伝いもお請けしております。

開発中断や、つく直しとなるような事態となる前に、状況の改善も可能かも含め、お気軽に当社へご相談ください。

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