実は商品名やSKU、価格なども属性の一種ですが、必須かつ消すことはできない属性ということになります。
属性を理解することでよりSEOに強く、また検索性の高いサイトや、商品の選択が行いやすいサイト、カスタマイズを行う際の助けになるような非常に高い利便性を得ることができます。
属性でできること
Magentoの属性を使用すると、以下のようなことが可能になります。
商品画面の「その他の情報」タブに表示
色やサイズ、素材など様々な属性を追加でき、商品登録の際に指定することで、(デフォルトのテーマであるLumaの場合は)「その他の情報」のタブ内にその結果を表示することが可能です。

その他の情報タブ
属性での絞り込みに使用
カテゴリ画面や検索結果画面に対し、絞り込み項目として使用することで、利便性の高い絞り込み機能を実現することができます。

属性絞り込み機能
商品の比較機能で使用
商品を比較リストに入れ、商品の比較機能を使用するときに、比較の項目として表示することができます。
詳細検索で使用
商品の詳細検索を行う際に、検索項目として使用することができます。
Configurable Productで使用
Configurable Product(バリエーション商品)の商品タイプの選択肢として使用することができます。

商品のバリエーション選択肢
以上のように大変利便性が高く、この機能が欲しいからMagentoを採用したという当社のお客様事例もあるほどです。
属性セットとは
例えばスニーカーでは色やサイズといった属性を使用することが考えられますが、腕時計の場合はケースの大きさやバンド幅、防水性といったように全く異なる属性が必要になるので、色とサイズの属性が含まれるスニーカ用の属性セットと、ケースの大きさ、バンド幅、防水性の属性が含まれる属性セットを作成するという使い方になります。
つまり、新しいグループを作成した場合は、商品編集画面に新しい項目が出現され、またその項目の中に、自分たちで作成した属性をまとめて表示させたりするようなことが可能です。
これはエクステンションを開発する際にも、属性セット内のグループを作成することで、開発したエクステンションが使いたい商品属性をグループにまとめて表示させたりするような使い方が可能です。

属性のグループの例
属性の作成方法
属性を作成するには、Magento管理画面の左側メニューで「店舗」-「商品」の順番に選択します。

商品属性の管理
商品属性の画面では、デフォルトの属性やユーザが作成した属性も含めて、商品に対して利用可能な全ての商品属性のリストを確認できます。属性を新しく追加する場合、「新しい属性を追加」を選択します。

商品属性 新規作成
属性のプロパティ

商品属性 プロパティ
- 標準のラベル
- 店舗上で用いるその属性にどのようなラベルを貼り付けたいかに関わらず、バックエンドでの利便のために名前を変更することができます。例えば、「生地」と入力するなどです。
- 店舗管理者のカタログ入力形式
- この設定では、Text Fieldやビジュアルスワッチ、テキストスワッチなど様々な属性タイプを選択することができます。設定可能な項目については後述します。
- 値が必要
- この設定をYesにすると、ある項目を入力必須にすることができます。
- 製品プレビュー画像を更新
- 適用可能な属性タイプについて、カタログの商品一覧ページにあるメインの商品画像を関連したスワッチ値で表示することができるようになります。これは、バックエンドでのカタログ一覧にのみ適用されます。
- 利用できる場合は商品画像をスワッチ画像として使う
- Configurable Productでスワッチを利用する時、商品説明画面でスワッチは選択項目として用いられます。スワッチが選択するとメインの画像がそのスワッチと対応する商品のベース画像に切り替えられるようになります。
スワッチ管理 (属性の値)
ビジュアルスワッチの設定は、色を選択するかまたはそのスワッチの画像をアップロードすることで行います。

商品属性 スワッチ管理
オプションの管理 (属性の値)
この項目は、Multiple SelectまたはDropdownを属性タイプとして選択している場合にのみ表示されます。
これらの属性タイプについては、選択可能な選択肢を用意する必要があります。例えば、Tシャツのサイズを例にして見ましょう。この時、Dropdownを用いる場合、全ての選択可能なサイズの選択肢を用意する必要があります。
拡張属性プロパティ

商品属性 拡張プロパティ
- 属性コード
- Magentoで用いられる内部コードで、多くの場合は開発者によりカスタマイズが必要な際に用いられるものです。
- スコープ
- 属性の値を保存するスコープを「グローバル」、「ウェブサイト」、「ストアビュー」から選択することで定義することができます。
- 標準の値
- 商品編集画面で表示される項目のデフォルト値を決定したい場合はこの設定を利用します。
- 一意な値
- ある値を特定の商品にのみ適用したい場合に利用します。
- 管理画面で値チェックを行う
- 入力された値が特定の条件を満たしているかどうかをチェックすることができます。10進数、自然数、Eメール、URL、文字列、アルファベットまたは数字を設定することが可能です。
- カラムオプションに追加
- カタログを閲覧する際に商品一覧に表示される属性を選ぶことができます。
- フィルターオプション内で使用
- バックエンドユーザーが一覧化された商品に対して、新たに追加された属性でフィルタリング(検索)することができるようになります。
設定可能な属性タイプ
店舗管理者のカタログ入力形式では、以下のような属性タイプを設定することができます。
設定可能な属性タイプ
- Text Field
- 名前の通り、特徴について説明するためのテキスト情報を入力することができます。
- Text Area
- Text Fieldと似ていますが、テキストエリアの場合はより多くの入力が可能になります。加えて、WYSIWYGエディタを用いて内容に飾り付けを行ったり、HTMLタグを挿入したり、その他の編集機能を用いたりすることもできます。
- Date
- 例えばCDのような発売日が付与された商品などを販売する場合、日付欄を用いることでポップアップカレンダーで日付を簡単に挿入することができます。
- Yes / No
- 名前の通り、YesまたはNoを値として選ぶことができるようになります。電源コードが含まれているかといったYesかNoで答えられる質問を用いる場合に有効です。
- Multiple Select
- その属性についての選択欄が表示されるようになり、リストから1つ以上の選択を行うことができます。
- Dropdown
- Multiple Selectと似ていますが、選択欄から1つしか選択することができないという点で異なります。
- 価格
- 価格、特別価格、段階価格、コストといった欄は既にMagentoで標準的に表示することができますが、それとは異なる追加の価格欄を作成することができます。チェックアウトの際には追加された価格欄は用いられませんが、比較や他の店舗での販売価格などを表示する目的で用いることができます。
- メディアイメージ
- ベース、スモール、サムネイルの画像に加えて、追加で画像を添付することができます。この新規画像をサムネイルの一覧に加えることもできますし、そこから除くこともできます。
- 商品固定税
- 特定の税額が課せられた商品がある場合、この属性タイプを用いることができます。
- ビジュアルスワッチ
- Magento 2の新たな機能として、色や画像(質感や生地を示すもの)を表す属性を追加することができます。
- テキストスワッチ
- Magento 2に新たに追加されたこの属性タイプは、ボタンとして表示されます。靴のサイズやkHzといったものに対応させて用いることができます。
属性セットの作成方法
属性を作成するには、Magento管理画面の左側メニューで「店舗」-「属性セット」の順番に選択します。

属性セット
この画面では、デフォルトのものもユーザーが追加作成したものも含め、全ての属性セットを確認することができます。属性セットを新しく追加する場合、「属性セット追加」を選択します。

属性セット 追加
名前の入力および基準にするフォームを選択し、「保存」をクリックします。
基準にするフォームでは、ベースとなる属性セットを選択します。

属性セット 新規作成
追加したい属性を未割り当ての属性の中から選択し、グループ内の配置したい箇所に移動させます。
ここでは、「size」と「color」の属性を追加しています。移動が完了したら、「保存」を選択します。

属性セット グループ
商品管理画面より、作成した属性セットを選択すると追加した属性が表示されていることが確認できます。

属性セット 商品登録