Magento2の日本語化について
なお公式のコミュニティ版に外にもいくつかのサードパーティ製の日本語ロケールがありますが、他のサードパーティに対しても公式版との干渉についてはサポートしてもらえるという可能性や、完成度を鑑みて、公式版の手順をご紹介致します。
(当社のお客様向にも公式版をご利用いただいております。)Magento2.3 Magentoコミュニティ公式版日本語ロケールがインストールされたデモ環境日本語化するにあたり、原文にあたる英語からの翻訳の他にも、郵便番号や住所表記、通貨表示(小数点の除去)などの対応も必要です。
Magentoコミュニティが公式で採用している日本語ロケールは現在の翻訳率が99%であり、翻訳についてはほぼ完成している状態ですので、概ねそのまま利用できるのですが、機能面についても当社で評価を行ったところ、敬称の取り扱いにまだ修正の余地があります。
公式版のMagento2日本語ロケールの問題点
公式版の日本語ロケールの問題点ですが、Magentoでは氏名の前後にプレフィックス(称号)とサフィックス(敬称)を付ける機能がありますが、通常日本語の場合はサフィックスとして「様」を指定することが多いと思うのですが、Magento側の設定で明示的に「様」をサフィックスとして使用すると、ログイン後に「ようこそ〇〇様様」といったように、敬称が重複する箇所があります。
ではサフィックスを使用しない場合どうなるかというと、ログイン後のメッセージは「ようこそ〇〇様」と正しく表示されますが、注文画面や注文メールなどが呼び捨てになります。
この対応としては、公式の日本語ロケールに対し、「様」という文字がハードコーディングされている箇所を見つけ出し削除の上で、Magentoの設定に任せる形でサフィックスとしての「様」をつけることを推奨しています。

Magento サフィックス(敬称)設定画面 ※「サフィックス」と「敬称」という形で同じ項目を意味する用語がごちゃまぜに翻訳されていますが、フロント側の表示には支障ありません。
Magento2 日本語化の手順
Magento2の日本語化するには、下記のような手順となります。
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- 1.日本語ロケールの準備
- 2.日本語ロケールのインストール
- 3.管理画面(バックエンド)の日本語表示
- 4.フロントエンドの日本語表示
日本語ロケールのインストール方法は、Extension Managerを利用したGUIで行う方法とComposerを利用したCLIで行う方法があり本記事では両方の手順を記載します。
日本語ロケールの準備
Marketplaceにて「Japanese Localization」と検索すると一番左上に表示されるので、そちらを選択してカートに追加します。

Marketplace 日本語ロケールの入手
日本語ロケールのインストール手順
日本語ロケールのインストール手順(GUI)
- 1.[SYSTEM]-[Web Setup Wizard]の順に選択します。
- 2.Setup Wizardが表示されたら「Extension Manager」を選択します。
Setup Wizard
- 3.認証鍵(authentication keys)を聞かれますので、Magento Marketplaceから取得したPuclic KeyとPrivate Keyを入力してください。
- 4.community-engineering関連のエクステンションにチェックを入れ、「install」を選択します。
日本語ロケール インストール
- 5.「Start Readiness Check」を選択します。Readiness Checkが完了したら、「Next」を選択します。Check Component Dependencyでエラーが発生する場合、ドキュメントルート直下のnginx.conf.sampleのmemory_limitの変更(756Mから2G)することで改善されます。
エクステンション Readiness Check
- 6.Backup Optionsにて取得対象のバックアップにチェックを入れ、「Create Backup」を選択します。Create Backupが完了したら、「Next」をクリックします。
エクステンション Create Backup
- 7.「Install」を選択して、インストールを開始します。
エクステンション インストール
- 8.下記画面が表示されたら、GUIでの日本語ロケールのインストールは完了となります。
日本語ロケール インストールの完了画面
日本語ロケールのインストール手順(CLI)
- 1. 以下のコマンドを実行します。
composer require community-engineering/japan-common
- 2. 認証鍵(authentication keys)を聞かれますので、Magento Marketplaceから取得したPuclic KeyとPrivate Keyを入力してください。
- 3. composerでのインストールが完了した時点では、日本語化関連のエクステンションが有効化になっていないので有効化する必要があります。現在のエクステンションの状態は下記コマンドにて確認できます。インストール直後は、「List of disabled modules:」に日本語化関連のエクステンションがあります。
php bin/magento module:status
- 4. エクステンションを有効化します。
- 有効化されていないエクステンションを全て有効化する場合
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php bin/magento module:enable --all
- 有効化されていないエクステンションを個別で有効化する場合
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php bin/magento module:enable <モジュール名>
- 5. エクステンションの有効化が完了したら、下記コマンドでデータベースを更新します。
php bin/magento setup:upgrade
- 6. データベース更新完了後、下記コマンドでキャッシュをクリアします。
php bin/magento cache:clean
管理画面(バックエンド)の日本語表示
- 1. 管理画面にログイン後、画面右上の管理者アカウントの「Account Setting」を選択します。
管理画面の日本語表示
- 2.Interface Localeにて「日本語(日本)/Japanese(Japan)」を選択します。次にCurrent User Identity VerificationのYour Passwordに管理者アカウントの現在のパスワードを入力し、「Save Account」を選択します。
管理画面の日本語表示設定
- 3.管理画面が日本語で表示されたら、管理画面の日本語化は完了となります。
管理画面の日本語化
フロント画面の日本語表示
- 1.[店舗]-[設定]-[設定]の順に選択します。
- 2.[全般]-[全般]の順に選択し、「ロケールオプション」を開きます。ロケールにて「日本語(日本)」を選択し、「設定を保存」をクリックします。
フロント画面の日本語表示設定
- 3.フロント画面で日本語表示されたら、フロント画面の日本語化は完了となります。